作業のレシピ
CYCLECUBEのショップページのほうでご報告した通り、2024年1月1日から作業工賃の改定をさせて頂きます。
色々と理由は書きましたが、結局はお客様がその金額に納得できるような作業の質を提供できるかに尽きるので、常に知識と技術のアップデートを怠らずに、安心してバイクに乗って頂けるよう頑張ります。
せっかくの機会なので、値上がり著しいとはいってもなるべく高品質のものを使うよう心掛けている
ケミカル類や工具類など、私が普段作業で愛用しているものをちょっとご紹介します!
・グリス類
- 化研産業 NASKAグリース 某社ホイールのラチェットやベアリングに使います
- WAKO’S タフグリース 耐水・耐塩性に優れたグリスで、最近一番良く使うグリスです。
- MOTOREX カッパーペースト 焼き付き防止グリスで、チタンボルトや異種金属同士のねじでトルクが大きいところに使います。
- DT スペシャルグリース DT製ハブのスターラチェットに使います。
- シマノ ケーブルグリース ライナーを傷めず粘度低めのグリスで、シフト・ブレーキともインナーワイヤーに塗っています。
- FINISHLINE ファイバーグリップ カーボンハンドルやカーボンシートポストなどに使う滑り止めコンパウンド。
- TACX アッセンブリーコンパウンド ファイバーグリップよりはちょっと粒子小さめの滑り止めコンパウンド。場所によって使い分けてます。
- 化研産業 NASKAルブ マルチに使える潤滑剤。さび付いたパーツを取り外すときや、簡易的にレバー内部などを潤滑したいときに使ってます。
- シマノ プレミアムグリース 一番ベーシックなグリス。最近は主に油圧ブレーキホースの組付け時に使ってます。
- KLUBER ISOFLEX LDS18グリース 当店イチオシONYX RACINGのスプラグメンテナンスに指定されているグリス。すんごい高いです。
- MAVIC FTS-Lフリーボディ専用ルブリカント
- MAVIC ID360フリーボディ専用グリース
- カーボンドライジャパン セラミックベアリング用ルブ CDJのビッグプーリーなどに使われているセラミックベアリングメンテ用のルブです。
・クリーナー類
- WAKO’S 接点復活剤ドライ 主にDi2エレクトリックケーブルの接点を洗浄するのに使います。
- WAKO’S 接点復活剤ウェット ドライタイプで洗浄した後で、これを塗布しておくと接点を保護できます。パワメなどのボタン電池を入れる際にも必ず塗布してます。
- AMEアルコール 主にクレストヨンドのコーティング剤(ガラスの鎧・カミナリの鎧)施工前のクリーニングに使いますが、ステッカー類を貼る前のクリーニングに使ったりもします。
- FINISHLINE ディスクブレーキクリーナー ブレーキローターを洗浄するのに最適なクリーナー。脱脂効果が高いのでブリーディング時の各所洗浄にも使ってます。
- AZ パーツクリーナー 一番ベーシックな油汚れ落とし用の速乾性クリーナー。
- WAKO’S フォーミングマルチクリーナー 油汚れだけでなく水溶性の汚れをとるのにも重宝する泡状のマルチクリーナー。代わりにANCHOR(GREEN DRIVE)のウォーターレスマルチクリーナーを使うこともあります。
・コーティング類
- クレストヨンド ガラスの盾 フッ素系のコート剤です。つや出し&保護剤ですが、主に(3)カミナリの鎧を施工した後の上塗り保護剤として使ってます。
- WAKO’S バリアスコート 一番良く使うコート剤。ガラス系でバイクを組み立てたりオーバーホールした後はこれでコーティングしておくことが多いです。
- クレストヨンド カミナリの鎧 より強固なフッ素系のコート剤です。脱脂したあとでコート剤塗布~ふき取り~乾燥という工程で施工するので手間は掛かりますが、水も油もはじくので汚れが付きにくくなります。
- クレストヨンド ガラスの鎧 より強固なガラス系コート剤です。脱脂~塗布~水ぶき~ふき取り~乾燥と一番手間のかかるコート剤ですが、小傷がつきにくくなったり汚れが付きにくくなります。ガラスの鎧をコートした後でカミナリの鎧を施工するのが一番しっかりコート出来ます。
・ねじ止め剤
- LOCTITE222 M6以下ぐらいまでの主なネジでねじ止め剤が必要な時はこれを使ってます。
- LOCTITE243 もうちょっとネジ径が大きくて中程度の強度が必要なときはこれ。
- WHEELSMITHスポークプレップ ホイール組でほとんどの場合はまずこれをスポークのネジに塗布して乾燥させてから作業します。
- セメダイン メタルロック 外れてしまったアウター受けを付けるなど強固に接着が必要な時に使う2液タイプの接着剤
・シーラント
使っているのは主に2種。STAN’S NO TUBESとIMEZIです。
スタンダードなのはSTAN’Sのほうですが、あまり頻繁に入れ替えたり足したりをしたくないという方にはIMEZIのほうが断然長持ちするのでおすすめする場合もあります。ただ量はIMEZIのほうが多めに入れる必要があります。
・トルクレンチ類
カーボンフレーム&パーツ類や、軽量パーツを取り付ける時に欠かせないのがトルクレンチ。
トルク範囲に応じて3種類と、ペダルメンテなどに使う逆ネジ用のトルクレンチを1本用意しています。
一番巨大なのはほとんど出番無いですが・・・
・ベアリング工具
シールドベアリングの交換には脱着共にメインはWHEEL MANUFACTURINGの工具を使っています。
キットになっていて各サイズのベアリングに対応していますが、たまにメーカー専用のツールが必要になったりするので随時買い足してます。
・BB工具
最近はまたBBの規格が増え始めて、そのたびにBBカップ工具を買い足してます。この写真の他にも旧来のカップ&コーン用のレンチなどももちろん用意しています。
・フラットマウントフェイシング工具
ディスクブレーキ車を組み立てるのには必須の切削工具。フェイスがずれていないフレームのほうが珍しいぐらいなのでほぼ必ず切削してから組み立てます。刃は消耗品なので、切れ味が鈍くなってきたら交換してます。
・ホイール組立用工具
- NOBLEWHEELS ホイール仮組み台 ハブ・リム・スポークからホイールを仮組するときに使う台。これが有るとキズを付けずに早く組めるので便利です。
- DT SWISSスポークテンションゲージ 組み立て時にスポークテンションを測るための工具。必需品です。
- PARKTOOLスポークテンションゲージ 組み立て時にスポークテンションを測るための工具。必需品です。
- メカニコ スポークテンションゲージ校正器 スポークテンションゲージを校正するための測定器。スポークテンションはホイールの状態だと直接測ることはできないため、テンションゲージを使って換算表から導き出しますが、その換算表通りに測定できているかや、未知のスポークの場合に基準を作るためにも使えます。
・ホイールメンテナンス工具
完組ホイールはメーカーによって当然構造が異なり、分解・組み立てするための工具も色々と専用品が用意されています。MAVIC・カンパ・FULCRUM・DT・シマノ・ROLFPRIMAなど、取り扱っているメーカーのホイールは一通り整備できるように工具を揃えています。
・番外編
オーブン。これでパンやグラタンを焼いたことはありません。
主にカーボンドライジャパンのCRACK SAVE フレームプロテクターを施工するときに使ってます。
また合わせてお知らせした通り、「バーテープ巻き方講習会」を2024年1月28(日)に店内で開催します。
セルフメンテナンスの中でも皆さんかなり興味がある作業だと思いますし、ご自身で覚えてもらうとともに店に工賃を払ってまでしてもらう作業というのがどういうものなのか改めて確認してもらう機会にできればと思っています。
ご参加お待ちしています!
https://www.cyclecube.com/?page_id=43856